konkomienet2020年4月4日読了時間: 3分20200405 御嶽山(連合会の日ブログ記事)「御嶽山」金光教亀山教会長 西川真人 私は、山登りが好きなので、月に一度くらいの割合で山に出かけています。中学校の同級生と登ったり、一人で気ままに登ったり、高校の同級生と登ったりしています。 日本には3000メートルを超える山がいくつかありますが、高校の時から山を登り始めて、唯一登っていなかった3000メートル峰が御嶽山でした。いつか登りたいと思っていましたが、平成27年の噴火で、その後は入山規制がかかり、山頂の三角点がある剣が峰まで登れなくなってしまいました。ちょうど噴火が起こった日は、娘の小学校の運動会だったのでよく覚えています。その当時はものすごい黒い煙が山全体を覆いつくす映像がニュースで流れていましたし、今でもその映像を鮮明に覚えています。その時の噴火では50名を超える方が命を失い、戦後で最悪の噴火事故となりました。ただ、その時の自分は、火山は怖いなあというくらいの気持ちでニュースを見ていたように思います。 それから5年の歳月が経って、昨年の7月から10月までの間は入山規制が緩和されて、三角点がある御嶽山の「剣が峰」に登ることができるようになりましたので、高校の同級生3人で、9月17日に日帰り登山の計画を立てました。御岳山はロープウェイで7合目まで行けるので、あとは3時間くらい歩いて登れば頂上に着くことができます。その日は友人の家に朝の4時半に集合して出発しました。出発した直後に約30年ぶりに会った高校の同級生が、「おい知っとるか」と言いました。「何の話?」と同級生のG君に問い開けると、「あの御嶽山の噴火で高校の同級生だった鈴鹿市在住のS君が亡くなっているんだぞ」と言いました。同じクラスにはなったことはないので、薄い記憶しかありませんでしたが、なんとなく思い出すこともできたので、大変驚きました。まさか、あの噴火で高校の同級生が亡くなっているなんて思いもよらぬ事でした。 現地について、頂上近くまで登ると、風にのって硫黄のにおいがするのと、赤茶けた地面がずっと頂上まで続いているのを見て、まだ火山活動は続いているのだと実感しました。そして、御嶽神社の金属製の灯ろうが、ぐにゃっと折れ曲がっているのを見て、火山弾の勢いのすさまじさも実感しました。こんな状況だと、あの黒い煙の中で避難するのはさぞ難しかったのだろうと、彼の無念が思われました。 私たち3人は頂上にある慰霊碑で祈りを捧げて下山しました。遠いニュースの中の出来事だった御嶽山の噴火をあらためて身近なことに感じ、そして、いのちをいただいているありがたさを改めて実感することができました。残念ながら彼の時間は5年前の御嶽山の噴火で止まってしまいました。私は今日もいのちをいただいて、一秒一分一日と前へ進むことができます。毎日いろいろのことが思われますが、それでも今日のいのちがありがたいのです。今日のいのちに感謝です。
「御嶽山」金光教亀山教会長 西川真人 私は、山登りが好きなので、月に一度くらいの割合で山に出かけています。中学校の同級生と登ったり、一人で気ままに登ったり、高校の同級生と登ったりしています。 日本には3000メートルを超える山がいくつかありますが、高校の時から山を登り始めて、唯一登っていなかった3000メートル峰が御嶽山でした。いつか登りたいと思っていましたが、平成27年の噴火で、その後は入山規制がかかり、山頂の三角点がある剣が峰まで登れなくなってしまいました。ちょうど噴火が起こった日は、娘の小学校の運動会だったのでよく覚えています。その当時はものすごい黒い煙が山全体を覆いつくす映像がニュースで流れていましたし、今でもその映像を鮮明に覚えています。その時の噴火では50名を超える方が命を失い、戦後で最悪の噴火事故となりました。ただ、その時の自分は、火山は怖いなあというくらいの気持ちでニュースを見ていたように思います。 それから5年の歳月が経って、昨年の7月から10月までの間は入山規制が緩和されて、三角点がある御嶽山の「剣が峰」に登ることができるようになりましたので、高校の同級生3人で、9月17日に日帰り登山の計画を立てました。御岳山はロープウェイで7合目まで行けるので、あとは3時間くらい歩いて登れば頂上に着くことができます。その日は友人の家に朝の4時半に集合して出発しました。出発した直後に約30年ぶりに会った高校の同級生が、「おい知っとるか」と言いました。「何の話?」と同級生のG君に問い開けると、「あの御嶽山の噴火で高校の同級生だった鈴鹿市在住のS君が亡くなっているんだぞ」と言いました。同じクラスにはなったことはないので、薄い記憶しかありませんでしたが、なんとなく思い出すこともできたので、大変驚きました。まさか、あの噴火で高校の同級生が亡くなっているなんて思いもよらぬ事でした。 現地について、頂上近くまで登ると、風にのって硫黄のにおいがするのと、赤茶けた地面がずっと頂上まで続いているのを見て、まだ火山活動は続いているのだと実感しました。そして、御嶽神社の金属製の灯ろうが、ぐにゃっと折れ曲がっているのを見て、火山弾の勢いのすさまじさも実感しました。こんな状況だと、あの黒い煙の中で避難するのはさぞ難しかったのだろうと、彼の無念が思われました。 私たち3人は頂上にある慰霊碑で祈りを捧げて下山しました。遠いニュースの中の出来事だった御嶽山の噴火をあらためて身近なことに感じ、そして、いのちをいただいているありがたさを改めて実感することができました。残念ながら彼の時間は5年前の御嶽山の噴火で止まってしまいました。私は今日もいのちをいただいて、一秒一分一日と前へ進むことができます。毎日いろいろのことが思われますが、それでも今日のいのちがありがたいのです。今日のいのちに感謝です。
Comments